SNSで見る、隙間なくぴったりと収まった収納ケースやボックス。まるでシンデレラにぴったり合うガラスの靴のように美しいその状態を「シンデレラフィット」と呼びます。
この「シンデレラフィット」に憧れ、先に収納ボックスを買い、その後で「さあ、何を入れようかな?」と悩んでしまう方が少なくありません。
気持ちはとてもよく分かります。ですが、プロの目線からすると、これほどもったいないことはありません。
「何を入れたらいいですか?」というご質問
以前、実際にこんなご依頼をいただいたことがあります。
「SNSを参考に収納ボックスをずらっと並べたのですが、中身が空っぽのボックスも実はあって。何をどう収納したらいいですか?」
見た目の美しさは完璧でした。しかし、肝心の「何をしまうか」が後回しになっていたため、せっかくの収納スペースが活用されていませんでした。
整理収納のゴールは「見た目の美しさ」ではない
私たちはつい、SNSで映える「完成された見た目」に惹かれがちです。ですが、整理収納の本当の目的は、モノをしまいやすく、取り出しやすくして、日々の暮らしを快適にすることです。
シンデレラフィットは、あくまでそのための「手段」の一つにすぎません。
「何を入れるか」が明確になっていないのに、先にボックスを買ってしまうと、後からモノに合わせて無理やり収納することになりがちです。
こんな事態になってしまったら、なんのために収納を整えたのか分からなくなってしまいます。
私が目指すのは、「あなたフィット」「家族フィット」の収納
私たち整理収納アドバイザーは、まずお客様の暮らしやモノと向き合うことから始めます。
「何が必要か」を考える
何をどこに、どれくらいの量しまうのかを明確にします。
「どうすれば使いやすいか」を考える
動線や家族の行動パターンを考慮し、最適な収納方法を考えます。
最後に、それに合う「モノ」を選ぶ
目的と方法が定まってから、初めて収納ボックスやケースを選びます。
整理収納アドバイザーの資格試験に、収納ボックスのサイズを暗記したり、シンデレラフィットのプランを作成する課題はありません。なぜなら、本質は「何を、どう使うか」だからです。
本当に大切なのは、心地よさ
もちろん、プロとしてご依頼をいただければ、シンデレラフィットの美しい収納を完成させることは可能です。ですが、その際は必ずメリット・デメリットをお伝えし、お客様に納得していただいた上で行います。
もし、シンデレラフィットを追求しすぎて、家族が片づけに協力してくれなくなったり、イライラしてしまうようなら、それはその場所にとっての「シンデレラフィット」は、見た目の美しさではないというサインです。
本当に心地よい収納とは、見た目だけでなく、日々の暮らしに寄り添い、笑顔にしてくれるもの。私は、そんな「あなただけの心地よい収納」づくりをサポートします。
「あなたらしい心地よい暮らし」を一緒に見つけませんか?
「片づけてもすぐに元に戻ってしまう」「家族が協力してくれない」など、一人で悩んでいませんか?
プロの整理収納アドバイザーが、あなたの暮らしに合った解決策を一緒に見つけます。
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